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福岡地方裁判所田川支部 昭和42年(ワ)139号 判決 1969年1月13日

主文

原告の請求を棄却する。

訴訟費用は原告の負担とする。

事実

原告訴訟代理人は「被告は原告に対し別紙目録第一記載の建物(以下本件建物と称す)を収去して同第二記載の土地(以下本件土地と称す)を明渡し、且つ昭和四十一年二月九日から右明渡済まで一ケ年金一万五千二百七十五円の割合による金員を支払え、訴訟費用は被告の負担とする。」との判決並びに仮執行の宣言を求め、その請求原因として、原告は本件土地につき昭和四十年十一月三十日福岡地方裁判所田川支部昭和三十九年(ケ)第一七号不動産競売事件においてその競落許可決定を得、代金納付して所有権を取得し、昭和四十一年二月九日所有権移転登記手続を了えたところ、被告は従前から本件土地を賃料一ケ年金一万五千二百七十五円にて賃借し、該土地上に本件建物を所有していたが、前記競落により賃貸人たる地位を承継した原告に対し全く賃料の支払をしないので、原告は被告に対し昭和四十二年十一月十六日到達の内容証明郵便をもつて同月二十三日を期限とする未払賃料の支払催告と不払を条件とする賃貸借契約解除の意思表示をしたが、被告は之が履行をしなかつたので、同月二十三日の経過と共に本件土地の賃貸借契約は解除された。

よつて原告は被告に対し本件建物の収去と本件土地の明渡並びに本件土地の所有権移転登記手続を経た昭和四十一年二月九日から右明渡済まで約定の一ケ年金一万五千二百七十五円の割合による賃料及び賃料相当損害金の支払を求めるため本訴に及んだと陳述し、被告主張の抗弁事実は否認すると述べた。

証拠(省略)

被告は主文同旨の判決を求め、答弁及び抗弁として原告主張の請求原因事実中被告が従前から本件土地につき一ケ年賃料金一万五千二百七十五円の賃借権を有し、該土地上に本件建物を所有したこと及び原告からその主張の日内容の内容証明郵便を受け取つたことは認めるがその余は否認する、被告は原告に対しその催告に応じて昭和四十二年十一月二十三日の期限前に代理人の訴外福家恭一により昭和四十年十二月一日から昭和四十二年十一月三十日まで二年間分の賃料合計金三万五百五十円を弁消のため提供したが原告の受領拒絶により同年十二月一日右賃料を福岡法務局田川支局に弁済供託したので右賃料債務は消滅した。

よつて原告の本訴各請求には応じられないと述べた。

証拠(省略)

(別紙)

目録第一

田川市奈良字屋敷壱壱壱参番地

家屋番号壱〇八番参

一、木造瓦葺弐階建住家壱棟

建坪  弐拾四坪参合

(八〇、参参平方メートル)

弐階  弐拾四坪参合

(八〇、参参平方メートル)

同 第二

田川市大字奈良

字屋敷壱壱壱参番五

一、宅地  八坪

(弐六、四四平方メートル)

同所    同  番四

一、宅地  六壱坪六合弐勺

(弐〇参、七〇平方メートル)

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